メタボロ、ズタボロを読んだ
2015-08-21 Fri 17:21
本屋でたまたま『メタボロ』『ズタボロ』を見つけたので、即買って即読んだ。
ゲッツ板谷が執筆中に脳出血で倒れたのは知ってたけど、『メタ』が2010年、『ズタ』が2013年に出ていたとは・・・。

しかも、『ズタ』に至っては今年5月に映画化されてたって!! 全く知らなかった!!
『ワルボロ』の興行成績が振るわなかったから、『ズタボロ』は宣伝にあんまりお金かけてもらえなかったとか?
邪推してしまうなあ。

以下は、一応感想というか、駄文。細かいネタバレは無し。
感想を一言で書くと、「どっちもあんまり面白くなかった」です。
・読み終わって思ったのは、『メタ』『ズタ』を同時に買って読んでよかったなあ、ということ。
リアルタイムで追っていて、先に出ている『メタボロ』だけを読んでしまっていたら、
「『ワルボロ』はあんなに面白かったのになぁ・・・」という感想で終わってしまった可能性が高い。

正直、『メタ』はよっぽど前作の『ワル』が好きで、
その後の仲間たちがどうなったのか気になっている人以外は、読まなくていいんじゃないかと思う。
『メタ』で描かれた内容は、次作『ズタ』の冒頭数ページでちゃんと説明されている。

・『メタ』も『ズタ』も、暴力シーンの後味が全体的に悪い。
『ワル』の頃の主人公たちは、やり場のない思いが「暴力」という表現をとっていただけで、
握られた拳にはプライドや信念があった(一部本気で頭のおかしい連中はいたけど)。
『メタ』はの暴力はとにかく理不尽だ。拳を握っただけで、振り上げる前に何倍もの暴力で痛めつけられる。そんな世界。
読んでいて辛い。

・『ズタ』の暴力は、腕力のような直接的な暴力ではなく、本職のヤクザの「追い込み」が暴力にカテゴライズされる感じ。
しかも、その筋者が主人公の血縁なところがキツい。

ゲッツ板谷の本に出てくる「バカ」(というかキ○ガイ)は面白い人が多すぎて、
「すっげぇなぁ~」とゲラゲラ笑いながらいつも感動させられていたんだけど、
世の中には「良いキ○ガイ」と「悪いキ○ガイ」がいるんだなあ、と『ズタ』を読んでいて思わされた。
『ズタ』は「悪いキ○ガイ」のエレクトリカルパレード。しかも血縁という宿命つき。

やっぱり1作目の『ワルボロ』が一番面白い。
『麻雀放浪記』も青春篇が一番面白かったのと同じ。


「後の方になるとつまらなくなる」というのはシリーズものの宿命ではあるけれど、
上記2冊は「1巻目の主人公が最も若く、情熱に溢れている」という共通点がある。

『~ボロ』シリーズは主人公が全て10代で、
ジャンルとしては「青春小説」になるけれど、きちんと「青春」してるのは1巻の『ワルボロ』だけだ。
『麻雀放浪記』は、シリーズを総称すると「麻雀小説」になってしまう。「青春小説」してるのは同様に1巻だけ。

・余談だけど、主人公がヤクザの仲間入り(※結局盃は交わさないので、本物のヤクザになるわけではない)をすることは、1作目『ワルボロ』の最後で既に触れられていた。
この部分、映画の『ワルボロ』(主演・松田翔太)では改変されていて、
叔父のタケミに「俺にはこれはいらない」と、(一方的に預けられていた)拳銃を突き返し、その世界とは決別するシーンが描かれている。
原作既読勢としては、「あ、続編のコーイチの生き方と映画のコーイチは違うんだなぁ」「まぁこの方が映画の後味はいいよなぁ」と見ていて思った。

いや~、実際に続編を読んでみると・・・
やっぱ、決別してくれてりゃなぁ~~~、映画verのコーイチだったらなぁ~~~と、どうしても考えてしまいますね・・・。
しつこいようだけど、そのくらい『メタ』『ズタ』は爽快感が少なく、読んでいてドンヨリとする内容でした。

・感想をまとめると、「ゲッツ板谷ファンなら読むべきだけど、『面白いなら読む!』という層の人であれば、読まない方がいい」と思いました。
『ワルボロ』はメチャクチャ面白いです。誰にでもススメたいと思う、素晴らしい青春小説でした。
『メタボロ』『ズタボロ』は、ゲッツ板谷のコラムをたくさん読んでいて、彼の家族のエピソードをある程度把握している人向け。
全体的に救いがなくて、「あ、このシーンはあのコラムに出てきたやつだ!」という楽しみ(息抜き)ができないと、最後まで読み切るのがしんどいです。

・『メタボロ』はキャームだけはめちゃくちゃカッコよかったので、キャームファンは読んだ方がいいと思う(笑)。
感想おしまい。
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